モチベーション映画 マネーショート (THE BIG SHORT) から学ぶ投資の世界 リーマンショック



こんにちは FIOLAです

以前UNITEDAIRに乗ったときに上映されていた映画です。

リーマンショックとはどんなものだったのかを勉強するいい機会になりました。

脚色はされつつも、実話を元に作られた映画だそうです。

題名のマネーショート 原題は THE BIG SHORTと言います。

FXをやっていたらわかると思いますが、投資などの世界では「ショート」というのは売りのことです。逆に「ロング」というのは買いです。

この先ポンド円が上がると思えばロング(買い)ポジションをとり、下がると思えばショート(売り)ポジションをとるのです。

映画名を訳すと「膨大な空売り」とでも言えばいいでしょうか

実際は空売りでなく、暴落に保険を掛けるという手法ですが・・

 

時代背景は2000年から2008年9月 私も貿易関係の仕事をしておりまして、2008年から2009年はかなりのとばっちりを受けました。リーマン破綻と最初にニュースをきいたとき、ここまで影響をうけるニュースとは思いませんでした。その後、もの凄い円高と商品が全く売れなくなる不景気に飲まれ、苦しみました。

リーマンショックとは

事の発端となったのはアメリカの住宅ブームです。住宅バブルの崩壊と大手投資銀行倒産が連鎖しておこったとんでもない事件でした。

2000年:初頭から住宅ブームが始まります。住宅の価格はどんどん上がります。

2006年:住宅価格が頭打ちします。まだ住宅価格が暴落するとはだれも思っていません

2007年:サブプライムローン問題、住宅ローンを証券化し取り扱っていた金融機関が大損失をだします

2008年: リーマンブラザーズが倒産します

サブプライムローン問題とはなんだ?

サブプライムローンは所得の低い人達に住宅を買わせるために作ったローン制度で、返せない可能性の高い人物にどんどんお金を貸しつけます。日本でも、この先20-30年務める会社が存在すると信じ、若いうちから30年フルローン頭金殆どなしで家を建てる連中がいますがあれに似ています。銀行は返せなくても家を取り上げればいい それまでに回収した金額と不動産の価値で結局銀行側は損はしないだろうという貸付です。

アメリカの銀行も返せない人(破産リスクの高い低所得労働者)にどんどんお金を貸しました。 なぜなら、 低所得者から数年ローンを回収し、途中で払えなくなったら家を取り上げればよいからです。 さらに、アメリカは住宅価格がどんどん高騰していましたから、取り上げた家の資産価値は当然ながら上がっていると読んでいたのです。

実際にアメリカの住宅価格は2000年から2006年にかけて2~3倍になっています。

さらに映画の中でもありますが、銀行は数年後には家の価格はもっと上がっているからその家を売って支払えばいい そしてお釣りももらえると営業をかけます。

知識のない低所得者を騙して家を2件立てさせたりと、自分の営業成績の為にむちゃくちゃな貸し付けをしていたのです。

サブプライムローンは最初は固定で低金利ですが、数年ごには変動金利になり、高金利になる仕組みでした。低所得者は深く考えずに住宅価格は上がるだろうと営業トークを信じこんでいました。

住宅価格が上がりつづければ、どんどん家をローンで建てるのはよいですが、上がり続ける相場というのはあり得ません。 破綻することはわかっていたはずです。

サブプライムローンの証券化

銀行がどんどん低所得者にお金を貸せたのはサブプライムローンが証券化できたからです。証券化は証券会社(リーマン)のような投資銀行を仲介して個人投資家やファンドからお金を集めるしくみです。

低所得者は銀行からお金を借り、銀行は証券会社に証券化して引き取ってもらい、証券会社は投資家やファンドからお金を集めたのです。

銀行は証券化することによりキャッシュフローがよくなり、更に債権が証券会社に移るので、リスク回避にもなるのです。

MBSとCDO

作品によくでてくる専門用語でMBSとは MORTGAGE BACKED SECURITIESで不動産担保証券という意味です。MBSはサブプライムローンなどの銀行が貸したお金を証券化したものです。CDOとはCOLLATERALIZED DEBT OBLIGATIONの略で債務担保証券です。 CDOは簡単にいうと、いろいろな債権を複合して(MBSや国債、社債)などまぜて証券にした金融商品です。

なぜCDOがでてくるかというと、住宅ローンを低所得者に貸している証券では格付けが低いです。 格付けはAAAやAA BBB 等投資家の判断材料になります。

BBBの格付けになるMBSに投資家は手をださなかったから、CDOという混ぜ喰った商品とつくり、無理やりAAAとして売り出したのです。CDOにさらにCDOを組み合わせたりと、混ぜ混ぜでもう何がなんだかわからない証券になっていたのです。

映画で分かりやすく説明してくれます。

そこで今回の主人公が銀行に持ち出した提案がCDSです。

新しい証券 というより保険のようなものです。

主人公のクスチャンベールは様々な裏付けから住宅市場が崩壊することを見抜いていました。

そこで、住宅市場が崩壊しMBSが下がった時に巨額な保険金が入るように保険を掛けました。 定期的に保険料を払えば、MBSが下落したときにお金がもらえる仕組みです。巨額な保険金がもらえるので、定期的に払う保険料は膨大でした。

話を持ち出された銀行担当者は、住宅市場が崩壊する事などあるわけがないと思っていたので、定期的にはいる保険料が新たな収入源になると思いCDSの申し出を受け入れました。

一方ブラッドピット達はリスクの低いAAAのMBSの下落に保険をかけました。クスチャンベールよりリスクが低い分掛け金も低いです。

 

そして リーマンショック

2006年半ばから住宅価格が下がり始めます。

サブプライムローンの金利は上がりはじめ、低所得者たちはローンが返せなくなります。 そして住宅ローン関連証券が値下がりします。

そして銀行や証券会社その他多くの金融機関が崩壊していきます。リーマンブラザーズは証券が殆ど不動産関係しかなかったので一気に倒産をしました。

これが引き金となり、ドル円の大暴落も始まりました。

いまでも月足にすればリーマンの痕跡はみることができます。

あのとき、ドルは50円を割るとまで言う予想まで飛び交ったのを覚えています。

金融市場というのは実態のないマネーゲームで動いているのです。

FXを始め、為替市場でも実際の貿易の取引に使われる売買どころではない投機目的の売買で相場が動いています。実は崩壊しているのにどんどん上昇しているものがあるかもしれません。 イギリスのEU離脱問題もあり、ユーロも財政が危ない国をたくさん抱え崩壊寸前 そういう噂は耳にしますが、だからと言ってショートしまくる勇気はありません。

今日7月14日は ポンド円が BIG SHORT しそうな気がしますが、

クスチャンベールのように確固たる裏付けもなく、チャートでの予測でしかありませんので、なかなか勇気が湧いてこないのです。

BIG SHORTのときに、うまく空売りで引退できるような財産を築きたいものです。

 

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