FX テクニカル用語 これだけ知っていたら十分

テクニカル分析をする上で基本的な用語集です。

テクニカル分析は基本的なもの(有名なもの)以外はあまり気にする必要がありません。

市場は多数派の意思で動き、それを刈るプロで成り立っています。

多くの人が参考にするメジャーな指標だけを知っておけば大丈夫だと思います。

私が主に気にしているものを紹介します。

 

トレンド系指標

ボリジャー・バンド(Bollinger Band)

相場変動、移動平均線を中心とする変動幅に収まる確率が高いので、上下に離れた場合は異常値であり、長続きせずに移動平均線付近に戻ってくる。 最上部バンドと交差したときに売り、最下部バンドと交差した時に買うという、平均値への回帰を前提とした逆張り手法となっています。

±1σ(シグマと読みます) の範囲内に収まる確率68.27%(このチャートでは水色線)

±2σの範囲内95.45%(このチャートでは赤線)

±3σの範囲内99.73%  となっています。(このチャートでは黄色線)

バンドから離れた場合、異常な値なので長続きしないと推定されます。

【逆張りに使う場合】

レンジ相場:下部バンドを支持線(サポート)、上部バンドを抵抗線(レジスタンス)とします。

買いシグナル:価格が下部バンドをした抜けた場合

ダブルボトム買い (1)最初の底は下部バンドを下回る (2)2番目の底は、下部バンドを下回らない(3)移動平均線を上抜けた時に買い

 

売りシグナル:価格が上部バンドを上抜けた場合

ダブルトップ売り (1)最初の天井は上部バンドを上回る(2)2番目の天井は上部バンドを上回らない(3)移動平均線をした抜けたときに売り  (移動平均線はボリジャーバンドの中央線)

【順張りに使う場合】

ブレイクアウトの判断に使います。

買いシグナル:価格が上部バンドを上抜けした場合、新しい上昇トレンド発生とみて買います。

売りシグナル:価格が下部バンドをした抜けした場合、新しい下落トレンド発生とみて売ります。

(これはボリンジャーさんが1980年ころに考案した指標です。 そのときに推奨された使い方ですが、これを実際にやったらほぼ ダマなどにやられ逆行 大損します)

バンドの収束: バンドの幅が狭くなったときは、トレンドの始まりと予想します。

最初にバンドのブレークアウトが起こりますが、この動きはダマしであることが多く、その次に起こる反対側へのブレークアウトがトレンドとなります。

バンドの拡大: バンドの幅が広くなった時は、保ちあい相場と予想します。

 

移動平均線 MOVING AVERAGE

青75日 黄色10日 赤2日

時系列データーの不規則な上下変動を排除して平滑化し、上昇、下降、停滞などの長期トレンドを見極めます。

10日移動平均線といえば過去10日間の終値(通常は終値を使用する)の平均値を結んだ線

【特徴1】 10日移動平均線は、毎日買ったとしたばあい、平均的な買いコストだと想定できます。

価格が移動平均線を上回っている→平均的な買い方に含み益がでている

価格が移動平均線を下回っている→平均的な買い方に含み損がでている

【特徴2】直近の新しい価格を「加えて」古い価格を引くので、加えた価格と引いた価格の大小により、単純移動平均線は増減します。 新しい価格>古い価格ならば、単純移動平均線は大きくなります。

26日移動平均線が前日よりも大きくなったということは、26日前の価格よりも高いということで、上昇トレンドの可能性が高いということになります。

新しい価格<古い価格ならば、単純移動平均線は小さくなります。 26日移動平均線が小さくなったということは、26日前の価格よりも低い、ということで 反落の可能性が高いということになります。

移動平均線は短期、中期、長期で3本ほどを組み合わせて使う事が多いです。日にち設定は利用者の使いやすさで変更します。 私はFXでは長期移動平均線を使っていません。 2日 3日 の短い組み合わせで動きを追っています。 長い移動平均線は、トレンドが発生してからの反応が遅いです。だから短い移動平均線との組み合わせが大切になります。 使い方は人それぞれです。

【特徴3】短期の移動平均線は、短期的なトレンドを表し、長期の移動平均線は長期のトレンドを表します。

大きな価格変動が起こった場合、短期移動平均線はすぐに反応しますが、長期移動平均線は反応しません。

このため、短期、中期、長期の移動平均線を組み合わせることで、トレンドの方向性、転換を見極めることができます。

グランビルの法則

買いシグナル

1 中・長期線が下降の後、横ばいか上昇傾向にある時、短、中期線が、中・長期戦を下から上に突き抜けた場合ゴールデンクロスといいます

2 中・長期線が上昇し続けている時、短・中期線が、中・長期戦の下に下降した時

3 短・中期線が上昇し続けている中・長期線上にあり、中・長期線に向かって下降したが、突き抜けず再び上昇した場合

4 短・中期線が下落し、下落している中・長期線から下に大きく乖離した時

売りシグナル

5 中・長期線が上昇の後、横ばいか下落している時に、短・中期線が中・長期線を下に突き抜けた時 デッドクロスといいます。

6 中・長期戦が下降し続けているとき、短・中期線が中・長期戦の上に上昇した時

7 短・中期線が下降し続けている中・長期線の下にあり、中・長期線に向かって上昇したが、抜けきれずにフタタ部下落した場合

8 短・中期線が上昇し、上昇している中・長期線から上に大きく乖離した時

 

※ 移動平均線をつかったグランビルの法則は超有名です。 基本的に相場は法則通りに動こうとしているのですが、そこを狙い撃ちされますので、シグナル発生したからといって大きくポジションをとったりすると危険です。

 

オシレーター系指標

MACD(Moving Average Convergence Divergence)

短期と長期の指数平滑移動平均線によりトレンドの方向性・転換を見極めます。

【買いシグナル】
・MACDがシグナルを上抜けた時→ 上昇トレンド開始の可能性
・MACDが0の上に抜けた時⇒上昇トレンドの確認(短期>長期)
「ゴールデンクロス」:短期移動平均線が長期移動平均線を上抜いた地点

・逆行現象(強気の乖離(ブリッシュ・ダイバージェンス):
相場が下降しているのに、MACDが下げ渋る状態
価格が低水準にある場合、価格の下落力の低下によってMACDが上昇することで引き起こされていると考えられます。下落力の低下、すなわち、底値反発という転換点が近いことを示唆しています。

【売りシグナル】
・MACDがシグナルを下抜けた時→下降トレンド開始の可能性
・MACDが0の下に抜けた時⇒下落トレンドの確認(短期>長期)
「デッドクロス」:短期移動平均線が長期移動平均線を下抜いた地点

・逆行現象(弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス):
相場が上昇しているのに、MACDが上げ渋る状態
価格が高水準にある場合、価格の上昇力が徐々に弱まることで短期移動平均線の上昇ペースが落ち、MACDの低下、に繋がっていると考えられます。
上昇力の低下、すなわち、高値反落という転換点が近いことを示唆しています。

問題点

遅効性:MACDは、移動平均線の組み合わせであるため、移動平均線の欠点である「売り買いのシグナルの発生が遅い」ことが欠点となります。
過熱感:MACDは、2つの移動平均線の差であるため、上限・下限がありませんので、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」の過熱感を表示できません。

私はこの問題点があるため、MACDはFXではあまり気にしていません。

 

RSI (Relative Strength Index)

全体の変動幅に対して、どの程度上昇したかを見極めます。
すなわち、全体の変動幅の中での上昇「力」の「相対的」な割合を算出し、相場の過熱感(買われ過ぎ、売られ過ぎ)を判断します。
山道の石段を登り・降りしている時、全体の登り・降りの合計(100段)に対して、登りが60段だったら、60÷100=60%になり、中腹よりもやや上まで登ってきたな、と思えます。

 

全体の相場変動(上昇幅+下落幅)に対して、上昇幅がどの程度占めているかを表しています。
期間中、毎日連続して上昇すれば、100%、連続して下落すれば0%になります。

70%~100%:買いが優勢⇒上昇トレンド⇒買われ過ぎ
50%:中立
0%~30%:売りが優勢⇒下落トレンド⇒売られ過ぎ

【買いシグナル】
・30%以下で推移していたRSIが30%を上抜いてきた時
・強気の乖離(ブリッシュ・ダイバージェンスBullish divergence)
価格が下落し、安値を更新したにも関わらず、RSIは安値下回らなかった時
・フェイラー・スウィングズ(failure swings)
上昇トレンドで、RSIが40%以下に落ちた後、すぐに反発した時

【売りシグナル】
・70%以上で推移していたRSIが70%を下抜いてきた時
・弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス Bearish divergence)
価格が上昇し、高値を更新したにも関わらず、RSIが高値を上回らなかった時
・フェイラー・スウィングズ(failure swings)
下落トレンドで、RSIが60%以上に上がった後、すぐに反落した時

【長所】
相対力指数(RSI)は、「逆張り」の取引手法ですから、レンジ相場に有効なオシレーターです。すなわち、保ち合い相場で、上がったら売り、下がったら買いのスタンスです。

【短所】
トレンド相場の場合は、「順張り」の取引手法が有効になりますので、相対力指数(RSI)のシグナルには要注意となります。 上昇トレンドの場合は、買われ過ぎの連続であり、下落トレンドの場合は、売られ過ぎの連続ですから、有効とはいえません。

トレンド発生時に使うと大やけどをします。

 

ストキャスティクス(Stochastics)

現在の相場水準が、一定期間の変動幅の中で、どの程度の強さ・弱さ(売られ過ぎ・買われ過ぎ)なのかを見極める  安値からの相対的な位置
※『高値』からの相対的な位置は「William’s %R」になります。

計算式

ストキャスティクスの計算式

※n=通常14、9、5日間
※m=通常3日間
スロー%D(SD)=x日の%Dの単純移動平均 (通常3日間:%Dの3日間移動平均)

 

 

◇ファスト・ストキャスティクス(Fast Stochastics)
【買いシグナル】
・%K・%D共に20%以下の時に、%Kが%Dを下から上抜いた時
【売りシグナル】
・%K・%D共に80%以上の時に、%Kが%Dを上から下抜いた時

◇スロー・ストキャスティクス(Slow Stochastics)
【買いシグナル】
・%D・スロー%D共に20%以下の時に、%Dがスロー%Dを下から上抜いた時
・逆行現象:強気の乖離(ブリッシュ・ダイバージェンスBullish Divergence)
⇒下落トレンド終焉示唆
価格は下落しているものの、ストキャスティクスが保ち合いから上昇に転じている場合
【売りシグナル】
・%D・スロー%D共に80%以上の時に、%Dがスロー%Dを上から下抜いた時
・逆行現象:弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンスBearish Divergence)
⇒上昇トレンド終焉示唆
価格は上昇しているものの、ストキャスティクスが保ち合いから下落に転じている場合

RSI 同様 レンジ相場にしか有効ではありません トレンド相場では使えません

 

ウィリアムズ%R(William’s%R)

現在の相場水準が、一定期間の変動幅(Range)の中で、どの程度の強さ(売られ過ぎ・買われ過ぎ)なのかを見極めます⇒高値からの相対的な位置

※安値からの相対的な位置は、「ストキャスティクス」になります。

williams01.gif

(通常の期間は14日間)

【買いシグナル】
(1)「%R」が上限ライン(90%~100%)に到達した場合、相場が底を打った可能性が高まり、50%を割り込んだ場合、買い ☆ラリー・ウィリアムズ(Larry Williams)の推奨
100%に到達後、5日間待ち、95%以下に下落した後、買う
(2)強気の乖離(ブリッシュ・ダイバージェンス)
下落トレンドで、最初の安値で「%R」が上限ラインより上に上昇(売られ過ぎ)し、次の安値で上限ラインを超えられなかった場合、上昇トレンドの可能性が高まります。
(3)フェイラー・スウィングズ(failure swings)
「%R」が上限ラインに到達することなく反落した場合、買い方が優勢となり、上昇トレンドの可能性が高まります。

【売りシグナル】
(1)「%R」が下限ライン(10%~0%)に到達した場合、相場が天井を打った可能性が高まり、50%を上回った場合、売り
(2)弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)
上昇トレンドで、最初の高値で「%R」が下限ラインより下に下落(買われ過ぎ)し、次の高値で下限ラインを超えられなかった場合、下落トレンドの可能性が高まります。
(3)フェイラー・スウィングズ(failure swings)
「%R」が下限ラインに到達することなく反発した場合、売り方が優勢となり、下落トレンドの可能性が高まります。

 

以上が通常使用しているものです。 これだけ知っていれば他の分析は必要ないと思います。

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